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演劇実験室◉万有引力 第74回本公演
手毬唄由来の実験幻想オペラ劇
草迷宮
ーここはどこの細道じゃー
【原作】泉鏡花
【台本】寺山修司(組曲用台本十九枚の原稿より)
【演出・音楽・美術】J・A・シーザー
【構成・共同演出】髙田恵篤
2023年 2月3日(金)~12日(日)
座・高円寺1
●演奏●
J・A・シーザー(パーカッション)
川嶋信子(琵琶)
本間貴士(二十五絃箏/三味線)
多治見智高ジーザス(ヴァイオリン)
●歌唱録音●
斎木智弥、小山由梨子、泉佳奈
●出演●
髙田恵篤 : 旅芸⼈ 座長・校⻑・法師・僧・投網漁師・娼婦宿客
伊野尾理枝 :語り⼿・囚人
小林桂太 :語り⼿・警察官
木下瑞穂 :娼婦 おしの・顔なし娘
森ようこ :明の⺟・女
髙橋優太:葉越 明
𫝆村博 :他国の男
山田桜子 :菖蒲
三俣遥河 :扇⾵機男・遊び人 辰巳・ 宰⼋・西瓜男
内山日奈加 :宰⼋の妻・顔なし娘
加藤一馬 :法官・海軍士官
飛田大輔:他国の⼥
真夢:旅芸⼈ はな・手毬娘
前田倫 :少⼥娼婦 ありさ・手毬娘・顔なし娘・女力士
小林香々:旅芸⼈ うた・千代⼥・手毬娘
小寺絢:旅芸⼈ ゆき・手毬娘・顔なし娘
多賀名啓太:⼦ども時代の明・かもめ
中野雄一朗:旅芸⼈ かぜ
中野遼太:娼婦宿の用心棒 猫⼗ ・看板持ち・怪力男
藤定知絵:洋傘売りの妻(朝霞)
丸茂三春:洋傘売り (黄昏)
●ポストトークゲスト●
2月5日 三上博史さん
2月8日 野口哲也さん
●劇中歌●
♪プロローグ
向こうの⼩沢に蛇が⽴って
⼋幡⻑者の、おとむすめ、
よくも⽴ったり、巧んだり。
⼿には⼆本の珠を持ち、
⼿には⼆本の珠を持ち、
⾜には⻩⾦の靴を穿き、
よくも⽴ったり、巧んだり。
ああよべ、こうよべ、
ああよべ、こうよべ、ああよべ、こうよべ
⼭くれ野くれ⾏ったれば・・・・・・
向こうの⼩沢に蛇が⽴って、
⼋幡⻑者の、おとむすめ、
よくも⽴ったり、巧んだり。
⼿には⼆本の珠を持ち、
⾜には⻩⾦の靴を穿き・・・・・
♪魔所の海
沖を⿊煙(くろけむり)の⿓(りゅう)が奔(はし)る
どっどっどどう
沖を⿊煙の⿓が奔る
どっどっどどう
⿓が奔る
どっどっどう どっどっどう どっどっどう
てんてんてん てんてんてん
♪顔なし娘
顔なし娘のすることは
髪を洗って湯に⼊り
洗い髪をば櫛に巻き
紅をひきたし唇がなし
顔なし娘のすることは
髪を洗って湯に⼊り
洗い髪をば櫛に巻き
墨をひきたし眉はなし
丑の年丑の⽉丑の⽇丑の時
『鏡に⼀度だけ︑顔がうつりまする』
♪てんてん草紙
⾚き⾎潮はなき⺟の
夢の⼿毬のてんてん草紙
ああ
夢の⼿毬のてんてん草紙
てんてんころがる
⿊髪に ⺟の⼿毬の⽷吹雪
♪⼤紅蓮
追ってすがれば⼿にやわく 重い乳房となる⼿毬
罪の世にあけ放つ。
襖には⼤紅蓮 ⿊髪や櫛巻きや
⻑襦袢帯どけや 猫抱いてまぼろしの
⺟ひとり⺟ひとり
ああああああ
畳は針の筵 胸の思ひは⽕となって
上⼿が書いた錦絵を炎にかざして⾒るやうな
胡粉にそそぐ⽬の許に 紅の涙おつ
⽉と⾒えたは⾎染めの⼿毬
ころがりでたは お化けの⻄⽠
⼑を出して斬ったれば
あはれころころころがるは
⼦守娘の⽣⾸か
てんてん⼿毬てん⼿毬 てんてん⼿毬てん⼿毬 てんてん⼿毬てん⼿毬
てんてん⼿毬てん⼿毬 てんてん⼿毬てん⼿毬 てんてん⼿毬てん⼿毬
⼣顔の花なら知らず ⻄⽠が何故か
⼥の顔に⾒えるのです
⽉の上へ蛇のやうに垂れかつているのは
⺟の帯か鳴⼦縄か
⽉に向って下駄を投げつければ
⽉はぼろぼろくずれて落ちる



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